電脳登山部リーダーブログ

ING電脳登山部リーダーたちのブログです。
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    山の不可思議体験 第4話 山中の路線バス

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      JUGEMテーマ:自然・登山・キャンプ

       

       私が所属していた大学ワンゲル部では、年間に部員全員参加が義務づけられていた主な合宿が5回と、それ以外に卒業生の追い出し山行やクリスマス山行など、学生さんらしい楽しげな山行がいくつかありました。合宿はこれまでも記したように今時の学生さんには全くウケないような山行ばかりでしたが、一年生が入部して初っ端の新人合宿も、この山でこんなに痛い目見る?と思うようなキビシイ山行でした。
       何のことはない群馬県央の赤城山なのですが、1日目は麓近くの当時あった有料道路料金所のところから鍋割山を直登して荒山を登り小沼まで。1年生男子はたいてい25キロ以上のキスリングを背負ってましたので、多くは荒山あたりで足が攣り、小沼までの林道は青息吐息。この林道で夜のキャンプファイアー用の枯れ木を拾うのですが、私も一年生の時は、とても拾う気は起きないほど疲れてました。
       小沼湖畔で幕営して翌日は、赤城神社前からヤブコギして黒檜山と駒ケ岳を結ぶ稜線に出て、ここから学年順に黒檜山頂上まで走ります。上級生があとから追いかけてくるのをかわせる新人はあまり多くはありません。そして黒檜山を下山後は、バス道路を歩いて新坂平の先の登山口から、鈴ヶ岳に向かう稜線に入り、鈴ヶ岳へ。頂上から北へ藪漕ぎして林道に下降し、ここから西の赤城村深山バス停まで下山するというのが二日目のコースです。「赤城山だろ」と舐めてかかると痛い目に会います。結構タフなルートです。そんな赤城山で1年生の終わり頃、私は再び痛い目を見ました。

       

      第4話 山中の路線バス
       3月のはじめ、4年生の卒業を祝う追い出しコンパが、赤城山の大沼北岸に当時あった「自然を敬い、人間関係を深める」ことを理念として創設された地区国立大学共同利用合宿研修施設(いかめしい名前だ!)の最初の施設「赤城山寮」で行われました。貸し切りでドンチャン騒ぎしてただけなので、理念に沿った利用方法だったかは不明です。新人合宿のコースで登り、完全結氷の大沼湖面を赤城颪の元になる強風に向かって、身体を斜めに傾けながら必死でまっすぐ山寮のある北岸に向かったのを覚えています。
       でその翌日、私は同級生と二人で、合宿後半のルート、すなわち鍬柄山から鈴ヶ岳を経て深山へ下山するコースに私はビスケット、彼はチョコレートという貧しい昼食を携えて入りました。そこそこの積雪があり、しかも3月ですからすでに何度か表面は溶けて再び凍ったおかげで、いわゆるモナカ雪になっていました。ヤセ型でヒョロっとした体型の友人はスイスイと雪面を渡って行くのですが、彼より体重が重いにもかかわらず、底面積の小さい登山靴を履いていた私は、やたらと雪を踏みぬいて、足を抜くのに苦労していました。ハッキリ言って相当にクタビレていました。それでも何とか鈴ヶ岳の頂上に着き、さぁあとは下るだけと冬枯れの斜面を木に掴まりながら転げ落ちるように北側の林道に降り立ちました。途中、春の合宿では見なかった、急峻な岩壁の脇を下りました。昨春よりかなり西寄りに降りたようです。「今は葉がないので見えたけど、葉の茂った季節では気づかずに岩壁にでてしまいそのまま滑落するかもね」と心配になりました。事実、しばらく後に鈴ヶ岳で滑落死亡事故があったと聞き、もしかしたらあの岩壁かもしれないと思いました(詳細は不明でした)。
       さぁあとは林道を離れて沢沿いに下る登山道に入ってまっすぐ下ればバス停だ、と既にその分岐よりも下に降りていたことに気づかず出発しました。当然いくら林道を歩いても登山道の分岐は現れません。そのうち道は尾根を越えて隣の沢に入り込んで行く始末。「分岐を見落とした?」と思っても既に登り返す元気もなく、「この林道だってそのうち着くよ」と空腹をかかえながら諦めて歩いていました。
       やがてようやく人里近い雰囲気になって、二人がバス時刻の話をしながら歩いていたその時、私はバスを見ました。ほんの30メートルばかり先を右から左へ、当時の東武バス、青とクリーム色のツートンカラーの車体が横切るのを・・・。思わず「アッ!バスだ!」と叫んでしまいました。素っ頓狂な顔で私を見ていた友人は、やがてゲラゲラと笑い出し、「そんなものあるか!!!」バスが横切っていった場所は近づいて見れば単なる草むらでした。こっちから来て向こうに行ったんだと説明しましたが、当然彼に聞く耳はありません。空腹と疲労の果てに私は幻覚を見たのです。
       それにしても鮮明な映像でした。もしかしたら歩きながら一瞬眠って夢を見たのかもしれません。ともかくないものが見える「山では不思議なことがあるんだよ」

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